サッカークラブや部活動の成績を上げるという目標達成の一つに練習があると思います。

指導者は選手達に対しその練習の現場において、

ある局面での問題を提起し、その解決策を伝え、それを練習として繰り返し実施していることと思います。

今日ここでは、これを練習とします。


僕はここでサッカーとフットサルの差は練習にあると言いましたが、

練習は個人でするものと個々が集まり団体でするものとありますが、

今日のここでは上記のとおりクラブや部活の練習とし、

またクラブや部活の練習には指導者がいる場合といない場合がありますが

指導する立場の者がいる場合の練習とします。


クラブや部活で選手達は練習を毎日行うわけですが、

そこで何を見て教わり何をやるかで結果は変わってくると思います。

指導者による選手達への影響力はかなり大きいと思います。


前にもここで書いたかもしれませんが記憶を思い出しながら、

練習で左右される結果・成果について書いてみたいと思います。


2011年2月、あるサッカーの指導者リフレッシュ講習会がありました。

アップ時に行う練習で3対1のボール回しという内容でした。

エリアを決め、時間を計り、何の制限もなく行っていました。

複数の選手がミスを繰り返しして攻撃側の3人が守備側の1人に

ボールを奪われ、ボールをカットされていきます。

所定の時間が過ぎインストラクターに指導者と選手が集められました。

この練習について何か気付いた方はいますか?と

インストラクターが指導者へ問いかけます。

数人が意見を言いました。

僕が思ったのは、まあアップなのでこれはこれで良いだろう、

ただ何の制限もないのにもかかわらずボール回しにおけるプレーの質が低いことに気付いていたため、

そのことにのみ触れると、インストラクターが、「ではやって見せてください。」と言いました。

指導実践するようなことになるとは思っていなかったので一瞬慌てましたが、

プレーもいつもどおり、指摘事項は選手目線でいいやということで実践することにしました。

・まず、体を温めるだけであればこれでもいい。

(本音はアップでの対人は絶対に僕はやらせない・・・なあ)

・ただ、これを毎日続けるのであれば、このプレーの癖がついてしまうことを理解する。

・先程の練習では、オフェンス側のミスが多いことが気になる。

(ミスするような場所ではない。というか3対1の局面でボールを失ってはいけない。アップと言えどこの局面でミスしてボールを奪われることは絶対に許されないことを理解するとぜんぜん違うものになる。)

・そこで次のことを考えてやってみる。

・今現在プレーの制限がされているか、されていないか、これを理解する。

(ダイレクトパスは必要なときにだけ使い、通常は早いツータッチでミスなくプレーする。)

・エリアを最大限に大きく使う。

・ボールがないときに、ボール以外の他方も見て考えておく。

・パスは限りなく丁寧にそして足元に強いパスを出す。

この要素を伝え自分も攻撃側に入ってやってみると、

(プレーヤーは女子高生3人の選手と指導員が僕1人の計4人で3対1のボール回し)

当然ですが、所定の時間内で誰も一度もミスをしませんでした。

ということは守備の人は最後まで守備をすることに。

(ボールを奪われると言うことはボールを奪い返すまではそう言う事になります。)


単なるアップですが、結果はかなり違うものになっています。

ここにいたすべての方々が理解してくれたかはわかりませんが、

少なからず練習で実践した選手達3人は、

高確率の連続によりプレーの質が高くなったことは体験できたことと思います。

できればこの女子高生達とプレーの後に少しだけでも会話したかったですが、

(勿論さっきのプレーの話ですよ!笑)

まあこれだけ結果の差が出たので何の説明もいらないでしょう。

そのことに選手達が気づいてくれていればうれしいですね。


続いて、ゴール前の局面打開の練習でした。

ゴールを守るGK一人、守備側に一人に対し攻撃側が2名での2対2で、

攻撃側のフォーメーションは、

ボール保持者がフリーの状態(中盤のイメージ)と

もう一人の攻撃側が前線に張っていて(フォアードのイメージ)

そこに守備側の一人がマークしている状況です。

(必ずフリーの中盤の選手が前線の選手へパスをして始まります。)

練習目的は、点を取る。攻撃側の局面打開の練習ということです。

(なんでもいいからゴールを決めればいいということのようです。)


そしてある指導員が練習方法を選手達に伝えこの練習を開始しました。

なかなかゴールできません。中にはシュートまでいかないことも多々ありました。

(女子選手達は本気です。なかなか上手でした。)

ここで所定の時間が過ぎてこの2対2の練習が終了しました。

先程の練習の時のようにインストラクターが指導員達へ問い掛けます。

この練習に対して何か気付いた点はありませんか?

(数人が答えたかな?)

他の方法はありませんか?

確か守備とGKとの間に浮き玉を入れると良いという意見を言った指導員がいて、

これを説明し選手達がその通りにやってみました。

しかしこの方法でシュートさえ1度もいきませんでした。

(絶対的な数的優位でマイボールを失っただけでしたね・・・)


そして、(確か堪らず)僕も意見を言いました。

・まずこの局面理解の説明から。

・攻撃側の絶対的な数的有利な状況だということを理解して欲しい。

・ボール保持側は絶対にシュートまでいかなければならならい局面である。

・オフサイドになるパスはあってならない。

・ボール保持者は絶対的にフリーの状態のため落ち着いて前線の選手の足元に強いパスを入れる。

・前線の選手は確実にボールをキープし無理にゴールへ向かって反転する必要はない。

・パスアンドゴーしてフリーで入ってきた選手へパスをするなど自分よりも条件の良い味方の選手を使う。

(ゴールできる確率の高い方を選択する)

・フリーの選手が落ち着いてシュートを打つ。

こうすることで点は取れると思います、と発言しました。

インストラクターが、「ではやって見せてください。」と言うので、

今回は遠慮なくやらせてもらいました。

ここでやらなきゃ僕自身がここに来た意味がありません。


まずは中盤の選手の局面理解と理想的と思えるプレーを説明して次に実際にプレーを見せ、

そのパスに対する前線の選手の受け方と使い方を説明しこちらもプレーを前線で見せました。


これを3組の女子選手達が同じように行いました。

結果は3ゴール!

当然の結果ですね(笑)

いやあ実はとても嬉しかったですよ。


「練習において結果・成果が出ない練習は、それは練習方法が間違っている。」

(特に局面理解が間違っている。)

これを指導員が理解していることが重要ではないでしょうか。


こんなことを2011年2月のある高校の校庭で行われたサッカー指導員講習会で体験しました。

(女子高だったか共学だったかは忘れました。)


フットサル選手がフットサルチームを指導して成績を上げていき

サッカーの方々にもフットサルの良さをわかって欲しいという意見があると思います。

(僕もそう思っていた時期もありました)が、

この経験をしたからでしょうか、今ではこのように思っています。

現場における指導者の影響力の大きさを知り(上記の体験は自分でも衝撃的な出来事でした)、

ブラジルのように、まず子供の頃にまずはフットサルをやってからサッカーをやるようになれば、

日本のサッカーも今よりも確実に強くなるだろうという説が一部にあるようですが、

(それも良いと思うのですが)

”サッカー経験がありフットサル経験者”でもある指導員が、

サッカーの指導者になっていく方がきっと早い気がしています。

今ある日本のサッカー環境を一変させフットサルを先になんていうのは、

全体的に実施していくには少々非現実的すぎますからね。

(これができたらハリウッド映画になっちゃいますね!)


それと勝負事に絶対はありませんが、

1つのプレーには確率と質の高低が絶対にあります。

これを理解させていくには、

この高確率で上質な部分を練習現場で見せて教え、

一つ一つの練習でその都度結果・成果として出し示していくしかないと思います。

これらは地道な作業の連続です。

現在も現場に立っている方々は大変でしょうけれど、うらやましくも思います。

日々ご苦労されていることでしょう。


そして、最近のスポーツニュースのサッカーコーナーでも良く見るようなりましたが、

ゴール前で確実に味方を使って点を取るゴールが増えていますね。

サッカーの進化の鍵はフットサルだ!とまでは言いませんが、

フットサルで考える高確率と上質なプレーの練習はきっとサッカーにも役立つことでしょう。


これが今の僕が言える、

”自身のフットボール人生の証明”であると考えています。


~日本のサッカーが強くなり、そしてフットサルも発展しますように~
~そして僕の膝が早く治りますように♪~