本当に激闘だったね。


日本はアウエーでオーストラリアと戦った。

昔日本が激戦と言えば硫黄島の攻防だろう。

太平洋戦争でアメリカ軍は最大の戦力を投じて硫黄島攻略作戦を立て実行してきた。

日本はこれを落とせば制空権を失うということで粘りに粘ったが栗林中将以下日本軍は玉砕した。

その後最悪の沖縄戦へなだれ込んでいって手も足も出せない状況にまで陥り、

最終的に原爆投下までされ最後には降参したわけである。


今日のテレビ放送を見ていて思ったのは、この激闘であり激戦の恐さである。

イエローカードギリギリのプレーの連続で見ていても危険を感じるほど。

相手が一人少なくなったからボールも自由に回り出し、

日本はショートコーナーで得点するに至った。

そこには本田の見事な崩しが存在し、最後は中に詰めていた栗原がゴールを決めて先制した。


日本はオーストラリアの退場により一人多い優位性が活きその時間帯で得点できたのだが、

相手のコーナーキックでファールを犯したとされPKを献上し失点してからは

歯車が狂ったかのように劣勢になるシーンが増えた。

楽に戦えるはずだった時間帯が一つのプレーで一転してしまった。

要らぬ場所で要らぬプレーをすればどうなるか身に染みただろうか・・・。


結果的に見れば、

その後一進一退の攻防を繰り広げたが日本の得点を挙げた栗原が

二枚目のイエローカードで退場させられるアクシデントもあり

(栗原はこの大会で一番伸びる選手になることは間違いないだろう)、

この激戦は1-1の引き分けとなったわけだ。


非常に前置きが長くなったが、

選手は恐れずにギリギリのところで体を投げ出し

敵地での勝ち点1を奪って無事に帰国できるということに尽きる。

これがどれほど凄いかと言うと、次の試合で3人の出場停止と引き換えに

オーストラリア相手にしかもアウエーで得た勝ち点1ということだ。

日程・グランド含め、決して条件が良かったとは言えないはずだ。


途中相手が一人減ったことで優位と言える部分もあったが、

一番怖かったのは、

オーストラリアのカウンターと

序盤からのサイドチェンジとアーリークロスの精度の高さ

(受ける側の問題で精度が高いという意味)。

それによる失点ではなくPKでの最小失点で戦いを終えたということは、

確かに勝てた試合だったのでは?という意見もあるにはあるが、

それはとても安易な発想でありこの激闘の途中までの経過を語った話だけにしかあらず、

要するに試合の途中経過的な話なだけであって、

そもそもの問題ではないはずだ。


勝ち点マイナス2の部分と考えれば今後活かす為の高い授業料と思い、

苦しいアウエーの試合のなかでも勝ち点1を取ったことを前向きに受け取り次につなげる方が良いだろう。というのも僕は、この戦前負けると思って見ていた。

点はとられてもどうやっても点が取れる気がしなかったからだ。しかもまったく。


だから、確かに勝てた試合かもしれないが、

勝てなかったのが現実でありまだまだそのレベルであると見た方が

益々日本は伸びていくのではないか?

とそう思ってこの激闘を戦った選手達に対しての賛辞を呈したいと思った次第です。


ただ一点のみ、

バルセロナのよなサッカーを目指しているようであれば、

ミドルゾーンからバイタルエリアでの

選手同士のコンビネーションと意思の疎通という点ではまったくまだまだだと思うので、

ワールドカップまでにはその部分を詰めていき是非とも世界を驚かせて欲しい。

ただそのサッカーがクラブチームではなく代表でしかも日本ができるとはあまり思えないが、

世界で活躍する選手達中心の視点でチームが変化し

日本国内で活躍する選手達への刺激になればと見ている。


ワールドカップではもっとプレッシャーが強く

もっともっと”点の部分に強い”相手との激闘になるわけだ。

コミュニケーションに長け勤勉な日本人にはその部分を短期間でも克服できる能力があると信じている。

是非とも世界に挑戦してもらいたい。

今日のような激戦・激闘を戦い抜いて、

見ている日本人が誇りに思えるような試合をして欲しい。

間違っても2006年のドイツW杯のオーストラリア戦のような試合は二度と見たくないからね。


これからも日本代表の試合を楽しみにしてる!

いやあ選手達のファイトが凄かった。

とても真似できません。

今日の勝ち点1は誇りです!